英会話『スピードラーニング』で知った日米のdifferent-culturesその2

 今までの記事に何人かの見知らぬ方々から⭐をいただいてしまいました❗嬉しくてたまりません‼️ブログを始めたばかりで、文字だけの長々とした文章を、日本のどこかで誰かが読んでくださっていると思うと励みになります🙋 

今現在、私は1年前とは全く異なる、社会と離れたような生活をしているので、世の中と繋がってるんだと思うと、自分の生きている意味を実感できて思わず笑みがこぼれます!人間って、やっぱり社会的な生き物ですね(笑)。

 

 さて、USAは現代、一週間後に迫った11月3日の大統領選挙に向けて、最終版の追い込みとばかり、トランプ陣営もバイデン陣営もヒートアップしています。 

前回の大統領選挙の時はまだ現役の中学校の教師でしたので、結果が速報で自分のスマホに届いた時…授業と授業の間の休み時間を待ちかねて教室に走って行き、

「みんな!なんとトランプが当選やで!」

と叫びました(笑)。その時の生徒たちの「えぇ~っ!」

という驚きと困惑の反応を覚えています。

 

 USAは多民族国家で世界最大の資本主義国ですから、日本とは歴史も国民性も価値観も異なって当然だとも言えますが、前回の「学力テストへの考え方」以外にも教育に対してのスタンスが異なる事例を、『スピードラーニング』のテキストの中の表現から紹介していきたいと思います。もちろん、互いの相違点を自覚して今後の両国間の理解に役立てるためです🌈。

 

【習熟度別クラス編成への考え方】

 前回紹介したアメリカに海外赴任した日本人学校と、アメリカの公立小学校の校長先生との会話から気付いたことをピックアップします。

 アメリカでは生徒それぞれに得意、不得意の違い、能力の差があることを前提として、「できるところはもっと伸ばし、苦手なところは上達するように指導する」ことを、大変システィマティックに実施しているようです。平均を伸ばすと言うより、個人を伸ばして結果として集団の向上を図るということです。

 もちろん日本でも大変丁寧に実施していますが、「個人」の捉え方が少し違うように思います。

 

 学習に援助が必要な生徒はESLクラスという、専門のスキルを持った教師によって指導されます❗ホームルームクラスからだいたい一日に1時間抜けてESLクラスでその生徒の状況に合った学習をします。

(主に英語圏ではない外国から来て、英語両国が充分ではない生徒への支援なので、日本の特別支援教育とは全く別の機関で対象者も異なります。)

毎年春に語学力テストをしてESLクラスを卒業できるかどうかを決めるそうです。時間外の補習はなく、教育課程にシステムとして組み込まれていて、教師側の負担が大きくなることはありません。

 

 

 逆に能力の高い生徒に対してはTAGクラスが用意されています❗「出る杭は打たれる」ではなく「出る杭はもっと引き出す」ための、またまたシスティマティックな機関が設置されているのです。

 日本では、基本的に通常学級ではどんな生徒にも同じ内容を教えますよね。どうやれば、同じ内容を理解度の異なる生徒全員にわからせることができるか…ということに、多くの教師は粉骨砕身するわけです。手を変え品を変え、どんなレベルの生徒にもわからせようと努力します。もちろんそれは大切なことです。

 しかし、理解力の充分ある生徒に、更に難易度の高い問題にチャレンジさせる(同じ授業時間内に)ための研究は、ここ数年の間にアクティブラーニングで広く行われるようになった「共有課題とジャンプ課題」に通じるものだと思いますが、歴史はそう長くないのではないでしょうか。

 

 

 また、テキストの中の日本人家族に、もう一つの提案が校長先生から出されます。

「年齢的には5年生だが、1年下ろして4年生から始めてはどうか」というものです。アメリカでは高校だけでなく、中学校も小学校でさえ、最低基準をクリアしなければ落第するのです❗

 

 私は中学校の教育現場に38年間いましたが、落第(留年)した生徒、卒業できなかった生徒はどんな場合でも一人もいませんでした。

もちろん、アメリカではなるべくそうさせないために補充学習や年度終わりのサマースクールで救済処置をとっているそうです。

テキストでは結局4年生から始めることになったのですが、その決断の前に校長先生は

「up  to  you(あなた次第)」というフレーズを複数回使っています。圧力をかけたり強制はしない、大切なのは自分たちの意志であるということを強調しているのでしょう。

(私は密かにこの小学生に呟いていました。

「大丈夫!1年ぐらい遅れてもどうってことないよ!それよりしっかり英語を身につける方が、将来絶対役に立つからね❗」(笑))

 

 ちなみにアメリカは高校も義務教育ですから入試はありません🌈受験のストレスが中学生にない代わりに、日々の課題が多く、授業への取り組み方と併せてそれが評価に大きく影響するのです!

例の校長先生は、更にこう付け加えます。

「日本人の生徒は、慣れるのに(他の国の生徒より)もっと時間がかかる傾向があります。」と。

なるほど、国民性ですねぇ。すごく説得力のある指摘だと私は思いました。

また、アメリカ人の友人はこう言います。

アメリカの教育の目的は、主に個人の能力を伸ばすことにある。」と。そう、「個人」というものへの考え方が、日本とアメリカでは決定的に違うと私は改めて思いました。次は、その点についてテキストから知ったことを述べてみたいと思います。

 

【根本としてのindividual(個人)の捉え方】

 多民族国家アメリカでは、「個人」は見かけだけでなく考え方も違って当たり前というスタンスを常にとっています。逆に、日本では多くの人が、他と同じであることに安心感を持ち、他と異なると孤立しがちになって居心地の悪さを感じます。

 「個人」という言葉自体が、どこかネガティブワード的な陰のイメージを持つように思ってしまうのは私だけでしょうか。いじめ(bullyingと言うらしい)が大きな社会問題となっているのも、島国で国境が明確にあり、ほぼ単一民族という日本に、長年の間に育まれてきた特有の感覚が影響しているのではないかと思うのです。

コロナ禍の中で、ロックダウンせず自粛要請だけで、罰則もなく補償も充分でなくても、国の方策に従い感染者の爆発増を回避してきた日本、自粛警察という言葉が生まれるほど、他と異なることをする人へ厳し過ぎる目を光らせることが正義であると信じて疑わない人が少数ではあるけれど存在する日本とは、根本的に「個人」の価値の捉え方が異なっているようです。

(この「同調圧力」について、徳島新聞で「今読むべき本」で紹介された鴻上尚志さんと佐藤直樹さんの対談集『同調圧力 日本はなぜ息苦しいのか』を読み、とても勉強になりました!)

 

話をアメリカに戻します。テキストのアメリカ人の友人が、「個人」というものの捉え方を日本人に話して聞かせる場面があります。彼女はこう言います。

アメリカ人は多様性(diversity)の中に調和を見いだすの。それぞれ違う言葉、違う背景や価値観を持った人々が、一つの国に一緒に暮らしたらどうなると思う?自分を表現しなきゃ、誤解されてしまうわ。」と。彼女は更に、もう一つ付け加えます。

「だから、自分を表現すると同時に、違いを受け入れる必要があるのよ。」な~るほど❗🙋。ここで素直に目からコンタクトレンズ(鱗)の私の表情を想像することは容易でしょう(笑)。

だから、互いの国の文化を理解する取組は大いにするけれど、学校やクラスを挙げてクリスマスパーティーはしないのだと言います!ハロウィンや感謝祭の取組はあるのにです。私はあまりに意外で先を急いで読みました!

なぜか。そう、いろいろな宗教を信仰する子どもが通っているからです。キリスト教だけでなく、ユダヤ教イスラム教、仏教その他様々な宗教の子どもが存在するからです。

ここで私はまた、な~るほど❗となったのでした!お寺にも神社にもお参りに行き、クリスマスケーキも食べ、教会で結婚式も挙げる宗教に寛容?な日本と違って、ある意味徹底しているのかもしれません。

 

【優位性と問題点】

 テキストの中でアメリカ人の友人が自国の問題点にも言及します。彼女は教育の一番の問題は「学区間の不平等」だと言います。アメリカでは、学校の予算は学区間の税金によって決まるのだそうです。つまり、高額所得者の多い人が住む地域は学校教育予算も潤沢だということ、その逆もまたしかりというわけです。

公立の学校なのに住む場所によって不平等が起こるということは日本では基本的にないので、この悪循環は問題だと思うし、これが一番の問題だと思うアメリカ人の一主婦の感覚もすごく理解できるなと思いました。

 

スピードラーニング』のテキストには差別(discrimination)や人種差別(racism)に関する記述もありました。長い年月をかけてその解決のために努力を続けてきた軌跡や、現在も努力し続けている様子が語られていて、単なる(またまた失礼ですが)英会話のテキストではなく一冊の読み物のように私は感じました。

このテキストで初めて知った言葉なんですが「barefoot   and  pregnant」という感覚が昔のアメリカにはあったそうです。裸足と妊娠という意味です。どのように使われていたかはご想像の通りです。

そういう時代から、現在のように副大統領候補に女性が選ばれていたり、国会議員の20%近くが女性であるという国にしてきたアメリカという国のエネルギーを感じずにはいられません。

 しかし、大坂なおみさんが被害者の名前入りのマスクをして試合に出たことで大きく報道されたBLM運動などに見られる人種差別の問題が、アメリカ社会にまだ大きく存在しているのだということも、併せて考えるきっかけになりました。

 

 その他『スピードラーニング』第4巻で知ったことを列挙してみます。

 アメリカでは父親と幼い娘が一緒にお風呂に入ると、子どもの虐待(child  abuse)で通報されます。それほどこの問題には敏感ということでしょう。

 アメリカではキャリアを伸ばすために、よりレベルの高い、待遇の良い職種に就くことを目標に、何年もかけて転職を繰り返すのが普通だそうです。寧ろそれが積極的な働き方とされているそうです。もちろん働きすぎ(workaholic)は会社のためにも家族のためにも、そして自分のためにも厳禁とされています。

 

 日本とアメリカの違いはあっても、その国民性は長い歴史の中で必要があって培われてきた結果です。現在及び今後のグローバル化した社会の中で、互いの文化の違いを理解し合い良い影響を与え合って、平和な社会(これは共通の目標のはず)を目指したいですね❗

そのためにも、英会話の勉強をもっとがんばろうっと(笑)🙆‼️

 

 予定していたテーマの順番を変えたいと思います。(言ってる端からまた変わるかも(笑))

次回の第6回目は、

「欧米のサスペンスドラマは回転が速い⁉️」

第7回目は「中国歴史ドラマは二度美味しい❗」

第8回目は「私の読書はローラー読み❗」でいきます。少しずつでも読みやすくなっていたら嬉しいです。🌈 芹沢マリリンでした🎵