No.11中国歴史ドラマは2度美味しい…❗その4

 とうとう同じテーマでその4まで行ってしまいました❗前回は俳優さんのことだけでなく、ストーリーについてもたくさん述べることができたと思います。

それにしても正解のない、正解のわからない余韻の残るドラマが多いですねぇ。それがまた魅力でもあるわけですが、腑に落ちないまま終わってしまうドラマは、区切りが付けにくいんです。さて、次のドラマは…と、スパッと割り切れないところが、大好きなピアニストのフジ子ヘミングの音色のようです🎵。

 

1,中国歴史ドラマにはまった理由→前々回で終了

2,印象に残った中国歴史ドラマの一部(私の勝手な尺度で)

武則天』ぶそくてん

『麗王別姫』れいおうべっき

『秀麗伝』しゅうれいでん

『ミーユエ』…ここまでは前回で終了。今回(最終回)は、次のドラマからです。

 

『エイラク

 宮廷ものでは珍しく、権力闘争で耐える女ではなく、やられたらやり返す!…はやりの(中国ではどうかな)倍返しを仕掛けるヒロインの気持ち良さは秀逸である。こういうドラマは他にはあまりない。

画面を見ながら「そんな悪いやつはやっちまえ〰️!」と何度叫んだことか(笑)。実に小気味いい、ストレス発散のできるドラマである。🌺

 

◆今時の小顔で大きな目の、口を縦に開けてしゃべるヒロインが可愛い💋ウー・ジンイェンという小柄でスレンダーな若い女優さんである。

またそのエイラクにやりこめられてしまう乾陵帝が意外にお茶目で可愛い。「芹沢マリリン選セクシーな男優」第3位に輝いている(笑)。困った時に、辮髪の前の剃った頭をつるりと撫でるのが可愛らしい。 

 

◆このドラマを私に紹介してくれたmy  husband  曰く、「はじめは優しくていい人だった人が、次々と悪人に変身していくドラマだ。」という言葉どおり、最初から意地悪な人が『まし』に見えてくるから不思議だ。

 

◆かつてエイラクが皇后に仕えていたときの仲間の宮女、明玉(めいぎょく)への純妃による虐待(拷問)が本当に恐ろしい❗5cmほどの縫い針を腕の血管から体の中へ入れるというもの💦。こんな仕打ちは聞いたことがない。

後にエイラクが救いだし、信頼できる医師に針を抜いてもらうのだが、17本も出てきたのだ❗まだ体の中には残っているが、取り出すのは不可能だという。どんなに痛かっただろうかと思うと、可哀想で胸が痛い😭

残りの針が肺か心臓の近くに来て、命が危ないと感じた明玉は、結婚式を目前にして命を絶ってしまう.…❗何てことだ…❗😱。

 

◆悪人に変貌した登場人物の1人に、エイラクや明玉の仲間の爾晴(じせい)がいる。この人がまたサイコパス!自分のことしか考えず、悪いことは全て人のせいにし、敵だと思った人は殺してもいいと思っている極悪人なのだ!

皇后を自殺に追い込んだのも彼女。エイラクの恋人を汚いやり方で奪ったのも彼女。夫に気に入られていた下女を、嫁入りと偽って娼館に追いやり、病死させたのも彼女。

最後はエイラクに自害させられるが、本当に顔を見るのがうっとうしいくらいの演技力だった!ある意味凄い❗

しかし、卑怯な謀略を凝らしたやり方で片思いの人と無理やり結婚して、幸せになれると本気で思ったのだろうか。結局最愛の夫には最後まで指一本触れられることがなかった。考えようによっては一番不幸な人かも…😰。

そのエイラクの元恋人は、毒を盛られた(またか)エイラクを助けるために、解毒剤になる薬草を取りに行き、沼の毒気にやられたことが原因で戦場で死んでしまう。この人の純愛も胸を打つ😭。女より男の方が純粋かも…。

 

◆エイラクが失脚した皇后に聞かれる。

「どうしてあなたは殿下に好かれるの?私がこんなに愛しても報われないのに…。」と。こんなことを恋敵に聞くのは、プライドの高い(いや、高くなくても)皇后にとっては死よりも辛いことだったろう。

ところが、その問いへのエイラクの答えが、完全なる彼女の勝利を高らかに歌っていた。彼女は黙って口に指を立てて、シー(こちらからは好きと言わない)と答えるのだ。💯

男にとって、見るからに情の厚い女より、ミステリアスで何を考えているかわからない、自分を好いていてくれるのかどうかわからない謎めいた女の方が、結局は離れがたい存在になるのか…。

さすが、皇太后に「お前ほど策を弄する賢い女は見たことがない。」と言わせたエイラクだけのことはある💥。

 

『如意伝』にょいでん

 前回でも述べたが、このドラマは画像の雰囲気が他とは格の違いを感じる。舞台装置、調度品、小道具までもが独特の歴史を感じるのだ。見ていると当時にタイムスリップする感がある。どこからともなくお香や茶の香がしてきそうな、そんな映像である。

 

◆ストーリーは、ほとんど戦乱の場面もなく、ひたすら宮廷での妃たちの権力闘争を描いている。主役は、後に皇后になる如意演じるジョウ・シュン。低い声の、目のくりっとしたどことなく南果歩に似た落ち着いた女優さんである。

私は個人的に悪役の高貴妃の顔が好きだなぁ。あの少しめくれた上唇がたまりません(笑)。最近結婚したあの可愛い女優さんみたい🌺

 

◆宮廷で子どもを無事に産むのは至難の技。例のごとくすぐに毒を盛られる。毒は、腕輪・薬・料理・お香・お茶・化粧品・髪飾りなど様々な物に盛られる。

毒を盛った魚を体にいいからと言われて食べ続けていた枚妃が、顔にひどい湿疹を作りながら死産するのはなんとも痛ましい😥その枚妃はライバルの慶妃に毒を盛り、そのことを自白して死罪となる。

 

◆儀貴人は身分が低いが懐妊する。しかし、例のごとく炭と食材に毒を盛られ流産する。また部屋に蛇を放たれストレスがたたって死んでしまう。

とにかく、懐妊しても余程用心しないと子どもは産めないし、自分の身も危ない。かなりの精神力と体力が必要…❗子どもができない妃たちの恨み、妬みは恐ろしい👽.。

 

◆もちろんこれらは、手を下した女性たちだけが悪いのではなく、皇帝の子どもを産むことが、一族の繁栄に繋がるという使命を負っている女性たちだから、彼女らは闘わざるを得ないのだ。

江戸時代の大奥も似たようなシステムだが、やはり似たような軋轢があったはず…。

当時の中国も当時は、皇帝の子孫を大勢残すことが必要だったから長年踏襲されているしきたりだったのだろうが、こういうシステムそのものに、やはり難があるのではと思ってしまう。

後宮に入った女性たちは、皇帝に愛されようが愛されまいが、一生後宮を出ることはできない。豪奢な衣服や装飾品、贅沢な暮らしと引き替えに…。

そんな運命に縛り付けられ、それでもなお自らの命と人生を懸け、多くの者が道半ばでその人生を終えていく、そんな後宮の女性たちが哀れに思えるのである。当時の女は悲しい😢💦。

 

・・事情があってまだ最終話まで、あと30話ぐらい見てないので、ここまででご容赦を…。

 

3,中国歴史ドラマが2度美味しい理由

 最後のテーマになりました。タイトルにもしている「中国歴史ドラマが2度美味しい理由」をAからCまで、3点に分けて述べていきたいと思います。

 

【A 歴史で学んだ知識と全く異なった見方を知ることができる❗】

 前回にも述べたが、武則天(学校では則天武后と習ったが)は、西太后呂后とともに「中国三大悪女」の一人としての知識が先でした。その3人の中でも最も残酷なのが武則天だと、何で読んだのか、ずっとそう思っていました。

 西太后は映画で観たことがあります。「ラストエンペラー」でも最初の場面に少し出てきます。高齢のため精を付けるためか、巨大な海亀のスープを器に注がれたが、いらんと拒否していました。そしていよいよ臨終の時、口に直径5cmくらいの黒い球を入れられていました。なんとも凄い風習です。

 彼女は、恋敵の手足を切り取り水瓶に浸けるとか、自分に反抗する家来は捕らえて、顔に濡らした布を何枚も重ねて殺すとか、珍妃を生きたまま井戸に投げ落とすとか(故宮にある珍妃の井戸を見てきました。何かやはり感じるものがあり、底からゴーッと音がしているようで早々にあとにしました)…様々な悪行を行ってきましたが、彼女にも、我が身の安全だけでなく、弱体化した清を守るための大義名分はあったのかもしれないと今では思います。

 武則天も、何度も謂れのない罪を着せられ、死罪になりかけた我が身を守るだけでなく、権力を持ってからも、何者かの企みによって我が子も殺され、信じるに値しない他の子どもに殺されかけるという、なんともすさまじい状況の中を生き抜いてきました。

 そして、唐を守るために、夫である皇帝の死後、自らが黄金の皇衣を纏わねばならなくなったその憂いが、あの儀式の時の表情に読み取れるのです。

 もちろん、歴史とは見方によっていろいろな側面があり、このドラマの描き方はそのうちの一つでしかありません。真実は、見る角度、切り取り方によって変わることもあるのだということの一つの例として、このドラマは示唆を与えてくれました。🙋

 

【B 人物の描き方が、ドラマによって180度違っていたりする❗】

 『エイラク』と『如意伝』は、中国でもほとんど同じ時期に放映されました。時代が同じ。宮廷という場所も同じなので、現地でもよく比較対照されてどちらも大ヒットしたそうです!

二つのドラマは、主人公の描き方が全くと言っていいほど違うのです。うまい作り方をしたなぁと、その企画の妙に驚きます❗(双方のプロデューサーが相談したのでしょうか…)。

 『エイラク』では如意は失脚する負けた皇后として描かれ、エイラク(令妃)は、狡猾で賢く、勝ち誇った次の皇后として描かれます。💋

 ところが、『如意伝』のエイラクは他と群れをなさない妃の一人として描かれています。『如意伝』は皇后が主役ですから、失脚したあとも、潔く妥協を許さない崇高な精神の持ち主として描かれています。🌈

 私は『如意伝』をまだ最後まで見ていないので、この比較対照に関しては、全てコンプリートしたあかつきに述べさせてください🙏。

 

【C 俳優がいろいろなドラマに出ていて、別の演技が見られるのが面白い❗】

 最後に、私のテレビドラマの楽しみ方の一つに、「俳優陣の異なった演技を見比べる」ということがあります。私は俳優に注目するのがどれほど好きなんだ❗…と自分で改めて思いました🎵

 例えば、『エイラク』の皇帝付きの宦官李玉(りぎょく)が、『コーラン伝』では権力者役に。いやその前に、『エイラク』ではぽっちゃりした少しお茶目な李玉が、『如意伝』では実に重要な役割の若いイケメンになっています💥。

 また同じく『エイラク』のライバルの妃が、『コーラン伝』では妹役(やっぱり意地悪だが)になっています。もちろんエイラク役の女優さんは、今度はコーランです。

 また『武則天』の李世民(ナイナイの岡村さんに似ているのはもはや常識!岡村さん結婚おめでとう!)が『如意伝』の乾隆帝の父親になっています。

 時代劇役者は時代劇だけとは限りません。現代ものに出ている時もあります。ただし、メイクが薄すぎ、衣装も地味に見えて、女優さんたちは、割り箸かろうそくのように(どんなたとえ?)スレンダーで印象も薄いような気がします。時代劇の視すぎですね(笑)😄

 『エイラク』で悪役の高貴妃役の女優さんは、悪役らしくいつも濃くてきついメイクをしていましたが、後に普通のメイクをすると、時代劇でもものすごく優しそうな美しい女優さんだったことを知って驚きました❗あれは全て演技と役作り…❗女優さんって凄いなぁ☺️

 『麗王別姫』の李淑や、『エイラク』の明玉は歌手でもあります。皇帝役の男優さんは、時代劇では辮髪の頭も本当に剃っていない場合もあり、髪の毛があると別人のようです。

 こういう楽しみ方ができる点も、中国歴史ドラマが私を惹き付けて離さない魅力の一つです🙋

 

  とうとうこのテーマについて、一応述べたいことは終わりました。そして私は、また今日も、そして明日も、中国歴史ドラマを複数同時進行で楽しむのでしょう(笑)。

 

 次の第12回目は、

「Monsters  inside  me   寄生虫って怖すぎる❗」

 第13回目は、

「私の読書は、作家ローラー読み」を予定しています。変なものが好きな性格なんでしょうか(笑)⁉️芹沢マリリンでした🎵