No.15私の読書は作家ローラー読み❗その2

 前回は、私自身がノスタルジーに浸り、貴重な時間を持つことができました!ブログをやって良かったと本当に思います🙆。

今回は、更にたくさんの作家の作品について、勝手気ままに述べさせていただきたいと思います(どうか怒られませんように…)。

1,私の本📕との出会い→前回で済み

2,私の読書のルール→前回で済み

3,私の読書遍歴(30年前から)→「宮部みゆき」「貴志祐介」まで済み

4,「読む」本📕から「書く」本📕へ

5,最近3ヶ月以内に読んだ本📕

 

 今回は「3,私の読書遍歴」の続きからです。

 ただその前に、「宮部みゆき」の「模倣犯」について少し付け加えさせてください🙋。「模倣犯」の感想を前回は「本当に身の毛のよだつ恐ろしさ」とだけ述べましたが、言葉足らずでした。

 犯人は、完全なサイコパスで、最後には共犯者と何の罪もない幼なじみまで殺してしまうのですが、大勢の女性の殺し方は、彼女の精緻な文章を読みながら目の前に展開して、本当に胸が悪くなりそうでした💦。

 スプラッターホラー的な殺し方ではありません。さんざんに精神的身体的暴力を加え、彼女たちの人間としての尊厳や生きる力を奪い、最後のとどめの引き金は彼女ら自身に引かせるのです。自分の手は汚さずに…😱。

 20年以上前に一度読んだだけで本棚に納めてあるのに、その時の思いをこうして表現できることに、我ながら驚いています。宮部みゆきってスゴイ‼️

 

 3「私の読書遍歴」の先に進みます。

渡辺淳一

 私が彼の小説を読んでいると、「それ、男性が読む本📕でしょう?」と言ってくる人がいました。もしかしたら、男性心理を知りたかったのかもしれません。

 私のベスト3は、「失楽園」「愛の流刑地」「雲の階段」です。その他次の作品を読みました。

「無影燈」「うたかた」「化粧」「化身」「愛ふたたび」「風の噂」「何処へ」「ひとひらの雪」

 

失楽園」「愛の流刑地」は、映画化もドラマ化もされた超有名な不倫がテーマの小説です。流行(はやり)は、一応押さえておかねば…と思って読みましたが、中身は純愛の物語でした❤️。

 特に「愛の流刑地」の下巻は、寧ろ不倫(浮気とかはこの場合論外、社会的には許されない恋愛と定義しておきましょう)の方が純愛かも…と思わせる切なさでした💦。

 

 「雲の階段」は、読んでからしばらくして(10年ぐらい後だと思います)、ドラマ化されたのを偶然知って驚きました。 

 今をときめくNHK大河ドラマ麒麟が来る」の明智光秀役の長谷川博己と、最近始まった「七人の秘書」他、多くのドラマに引っ張りだこの木村文乃が出ています(この女優さん、本当の笑顔を私は見たことがありません。そう言えば、大河では今夫婦薬ですね)。

 偽医者になってしまい、嘘に嘘を重ねていく主人公の苦悩を、大好きな長谷川博己が繊細に演じていました。当然、読み直しました❗

 

高樹のぶ子

 知的で丁寧な気品のある彼女の文章がとても好きです。ストーリーを知っているのに何度も繰り返してその文章を味わいたくなる、そういう作風です🌺。

 私のベスト4は、「銀河の雫」「氷炎」「億夜」「蔦燃」です。その他次の作品を読みました。

イスタンブールの闇」「蘭の影」「罪花」「百年の預言」「燃える塔」「花嵐の森深く」「満水子」「エフェソス百恋」「熱」

 

「銀河の雫」は、響子と万里子という二人の魅力的な女性と主人公の男性との、有り体に言えば三角関係、そしてダブル不倫のストーリーです。

 出だしの薪能の場面がものすごく美しく印象的で格調高いです。この小説を読んでから、薪能に一種の憧れを持つようになりました。

 

 「氷炎」「億夜」は、これらもまた切ない道ならぬ恋のお話です。特に「氷炎」の方は、主人公の愛する女性が自ら命を絶つ結末になり、私なりにラストに禍根を残しました…。

 舞台が京都で、美しい風景と季節の移り変わりの中で醸成されていく大人の恋の切なさが、その上品な描写で光ります🌠。

「億夜」の中に、貴重な美しい蝶を潰してしまう場面があります。その部分の描写に、私は当時中学一年に教えていたヘルマン・ヘッセの「少年の日の思い出」のあるシーンとの共通点を見いだしました。

 抗いがたい誘惑に負けて蝶を潰してしまう、そこからあの狂おしい物語が始まるのです、どちらも。思わず参考資料として一部抜粋を生徒に読んで聞かせました。

 中学一年生の記憶の深い所にもしも残っていて、大人になってこの小説を読む機会があったら…想像すると楽しくてたまりません❗

 

小池真理子

 時にたくさんの本📕を読んだ作家です。何年も彼女の作品で楽しみました🙋。

 私のベスト4は、「虹の彼方」「望みは何と訊かれたら」「瑠璃の海」「冬の伽藍」です。その他次の作品を読みました。

「水の翼」「記憶の隠れ家」「夜は満ちる」「無花果の森」「恋」「愛するということ」「水底の光」「虚無のオペラ」「蜜月」「エリカ」「夏の吐息」「狂王の庭」「天の刻」「欲望」「美神」「月狂い」「ノスタルジア」「水無月の墓」「モンローが死んだ日」「千日のマリア」「青山娼館」

 

「虹の彼方」は、たぶん10回以上繰り返し読んでいます。許されない恋に堕ちていく二人の心理描写が、丁寧且つ情熱的な文章で紡がれていき、思わずその世界に引き込まれていきます💖。

 小説家って、どうして様々な人間の心理を具現化できるのだろう。まるで、全て知っているかのように…と思って衝撃を受けました💥

 小説家というのはそういう能力に長けた方々であるはずだし、登場人物は、まさしくその小説家が産み出したものであるから、当然と言えば当然なのですが。そういう一種異様な感覚を持つに至った小説です❗

 実は私の第1作目の本📕「おばさんの海外旅行 あるあるエピソード集(2020年5月出版)」の中に、この「虹の彼方」に関する記述があるのです。少し紹介させてください🙋。

 

【「こぼれてた話16、中国、水郷地帯『周庄』と小説の中の『烏鎮(うちん)』」

 中国、上海の郊外「周庄」の美しい水郷の紹介は既にしたが、その地の記憶を再び呼び起こすことになったのは、その一年後のことだった。小池真理子著の「虹の彼方」という小説によく似た場所が出てくるのである。(中略)

 「虹の彼方」に描かれる、ダブル不倫といっては身も蓋もないが、四十代の切ない二人の心模様には、胸を締め付けられるような思いをしたものだ。

 どうにも離れられなくなってしまった二人は、上海へ出奔する。その時、足を伸ばして小旅行に行った場所、それが「烏鎮」だった。

 彼らは、その古い水郷の村で現地の老夫婦を見る。観光地ではあるが、そこには普通に生活している人々がおり、観光の小舟が通り過ぎる横で洗濯をしている。

 主人公はその老夫婦を見ながら、「今度生まれ変わったら、あなたとこんな場所で川で洗濯しながら平和に歳を取っていきたい」とつぶやくのだ。

 決して叶えられることのない、夢と言うにはあまりに切ないその場面。「周庄」の風景は、「烏鎮」のそれと瓜二つ。思わず小説を読み返したほどだ。

 

 夫と水路の傍を歩いていたら、現地の老婦人がまさしく洗濯をしていた。近くには物干しがあり、生活色満載の洗濯物が干してあり、そこには平和で変化のない日常のまがうことなき「虹の彼方」の世界があった。

 小説の中で主人公の女性は「烏鎮」で体調を崩し(たぶん長距離タクシーの冷房で体が冷えて下痢)、仕方なく普段なら見向きもしないだろうレベルの食堂に入ることを余儀なくされる。

 女性はトイレに行き、使ったことのないような川の上に板を渡しただけの粗末なトイレで用を足す。関係の深い男女であっても、できれば避けて通りたいようなシチュエーションだ。ましてや付き合い始めのカップルなら、それが原因で別れることになるかもしれない(女性の方が恥ずかしくて遠慮するから)。

 しかし、上海に出奔したぐらいの二人だからそういうことはなかった。男性は、中華ちまきを注文しそれを食べながら女性が出てくるのを待つ。女性に気を遣わせないためだろう。その後、ホテルに戻ってバスに湯を張り、女性を温めて看病するのだ。

 

 上海に出奔した話なのだから、もっと他に思い出すエピソードはありそうなものだが(南京路で雨の中キスする場面とか)、なぜか私はこの「烏鎮」でのエピソードを最も印象的に思い出したのである。(後略)】

 

「望みは何と訊かれたら」もまた、驚くようなストーリー展開に寝食を忘れて一気読みを余儀なくされました!スゴイ!これは映画化されたら大変なことになる…と私は真剣に思いました(どなたか映画化しませんか?)。

 なんてドラマチック❗なんて波瀾万丈❗サスペンスあり、ラブストーリーあり、サバイバルあり、あらゆる要素が絡み合った珠玉の名作だと私は思っています(上から目線みたいな言い方ですみません)。

 荒れ狂う河に為す術もなく流され、運命に翻弄されながらも、なお生きることを諦めない主人公の人生を追体験して、読みながら手が震えるって経験、あなたはありますか⁉️

 

篠田節子

 独特の明暗取り混ぜた魅力的な作風に惹かれます!一時期、彼女の作品ばかり探し求めていました。

 私のベスト4は、「インコは戻ってきたか🦜」「ホーラ」「女たちのジハード」「銀婚式」です。 その他次の作品を読みました。

「はぐれ猿は熱帯雨林の夢を見るか」「秋の花火🎆」

「百年の恋」「蒼猫のいる家」「家鳴り」「夏の災厄」「絹の変容」「冬の光」「仮想儀礼」「聖域」「長女」「インドクリスタル」「コミュニティ」「スターバトマーテル」「ミストレス」「マエストロ」「レクイエム」「夜のジンファンデル」「コンタクトゾーン」

 

「女たちのジハード」「銀婚式」は、文句なしに元気をもらえる小説で、読後感は素晴らしく爽やか❗相手を選ばず(笑)誰にでも薦めたい作品です😄

 

「ホーラ」は、これまた独特のミステリアスな雰囲気の恋愛小説です。定期的に読み返してみたくなります。地中海の小さな島が舞台ですが、遠く過去に遡って、中世の記憶を辿る場面がなんとも恐ろしく魅力的❗

 ごく短い数日間のお話なのに、主人公と一緒に追体験すると、1年分ぐらいの疲れが出てきそうです。ラストが悲しく切ない…。

 

「インコは戻ってきたか🦜」も、私にとっては衝撃的な作品でした❗ストーリーの細かいディテールまで頭に入っているのに、何度読み返したかわかりません。小説家って本当にすごいですね!平気で何時間も私の時間を奪っていきます(笑)😭。

 キプロス観光の取材に出かけた主人公とカメラマン。トランクが空港のターンテーブルから出てこない辺りから、その急激なストーリーの流れに一気に巻き込まれていきました。

 素晴らしいリゾート地の遺跡の取材中、見知らぬ地で道に迷い、いつの間にかクーデターに巻き込まれ拘束される。そんなこと誰が予想するでしょう…。

 また、ただその流れの速さだけではなく、精緻な人物描写、我がことのように錯覚してしまうほどの心理描写の妙…。まだ読まれていない方は是非どうぞ!素敵な時間が過ごせます❗

 

 またもやページが尽きてしまいました。まだまだお話ししたいことがあるので、次回に回します🙋。

次の第16回目は、

 「私の読書は作家ローラー読み❗その3」

第17回目は、「『夢』って不思議⁉️」

第18回目は、

 「『山口百恵 伝説から神話へ』そして…」を予定しています。

 本当に個人的な記事なのに、たくさんの方が読んでくださっているようで嬉しい限りです。きっと中には「この小説はそうじゃないよ!」と反論されておられる方もいらっしゃるかもしれませんが💦。

 ブログっていいですね!自分の好きなように書けるから(笑)🙆。芹沢マリリンでした🎵