No.21「『山口百恵』伝説から神話へ」そして…その2

 さて、「山口百恵」を書き始めて、前回はやや思い込みの激しい記事になったような気もしています😆。41年来の思いということでお許しいただき、今回は、大好きな彼女の残してくれた様々な宝物💎について、またまた勝手な印象を好き放題述べさせていただきたいと思います(若干攻撃的?(笑))。私自身がワクワクしてます(笑)🙋。

 

 いつものように、お話の骨子を整理しておきますね!

1,なぜ今「山口百恵」か❓→前回で済み

2,なぜ「山口百恵」は引退したのか❓→前回で済み

3,「山口百恵」の楽曲から見えるもの→今回はここからです❗

4,「山口百恵」のテレビドラマから見えるもの

5,「山口百恵」の映画から見えるもの

6,雑感

 

 それでは、宝物💎たちへのコメントを始めます。

3,「山口百恵」の楽曲から見えるもの

*番外として、牧場ゆみの「回転木馬」という曲を挙げなければなりません。「スター誕生」で、彼女がデビュー前に歌った曲です。

 とにかく彼女の声質にぴったりでした。どこか悲しげな曲調、彼女のあの独特なビブラートの特徴が遺憾なく発揮されていました🌷。

 選曲が素晴らしい!彼女が選んだとしたら、本当に自分のことをよく知っている人だと思うし、誰かのアドバイスなら、それもまた彼女をよく知っていると思って、生意気にも中学一年の私はテレビの前でしきりに頷いたものでした。

 この人の声、この人の雰囲気、この人の内面から溢れ出す個性、それらは絶対に稀有なものだと13歳の私は確信していました🌟。

 

●「としごろ」🎶

 デビュー曲です❗中1、13歳にしては大人っぽい歌詞だということで賛否両論ありました。

 

「あなたに全てを見せるのは ちょっぴり怖くて恥ずかしい 私が私で なくなるの🎶」

 

…この歌詞には、「山口百恵」のプロデュースの方向性を模索する、プロダクション側の思惑が垣間見えます。

 更に、そのサビの部分には、彼女独特のビブラートが一番効果的に配置されていました。そして、どこか寂しげなアイドルらしくない暗めの表情と物腰。「なるほど、このラインで行くのね!」とは私の心の声です🙋。

 「花の中1トリオ」と呼ばれていた、三者三様の山口百恵森昌子桜田淳子。この呼称は彼女にとって、その中で、他の二人と全く異なる個性を突出させるに充分な企画賞でしたね!

 

●「ひと夏の経験」🎶

 方向性が決まって第二弾。一気に爆発的なヒットを生んだ代表曲です。

 

「あなたが望むなら 私何をされてもいいわ いけない娘だと 噂されてもいい 恋した時に身体の隅で 別の私が目を覚ますの🎶」

 

…来た~❗と私は思いました(笑)。

 サビの部分にあのビブラートを効かす方法も健在!恥ずかしそうな控えめなフリがプラスされていました。 

 ただ、有名になると当然逆風も吹きます。社会的には批判もありました。「あんな中学生のいたいけな娘に、そんな歌詞の歌を歌わせていいのか」…。

 しかし、そんな旧態依然とした批判の風潮を、もはや彼女ははるかに凌駕していました。当時の可愛い路線のアイドルが多い中で、この異質さが一気に彼女をトップへと押し上げていくのです⭐。

 しかし、彼女がその状態を歯牙にもかけなかったという訳ではなく、そこはやはりまだ中学一年生ですから、世間に色々言われることで、少なからず悩んでいたことを、後に彼女の著書「蒼い時」で知ることとなります。

 スター⭐であり、且つ普通の少女でもあった…彼女のそういうところが、ファンの層を2倍にも3倍にも増やしていける要因になりました❗

 近くにいそうでいない、親近感がありそうで、実は近寄りがたい存在…新しいスター⭐像を彼女が造り上げていくことになったのです❗

 

●「冬の色」🎶  

「あなたから 許された 口紅の色は からたちの 花よりも 薄いにおいです🎶」

 

 当時高校一年だった私は、古典の授業で、昔の「におい」は今の「色」であると習ったことを、この歌詞で再確認した覚えがあります。

 大人っぽいが清潔感があり、曲調にも落ち着きが出てきます。レコードジャケットのセピア色の秋の風景は、ジャケット写真の中でも評判の高いものです。

 笑顔ではありません。憂いのある表情が、とても高校生(確か発売時は15歳)とは思えない大人っぽさを感じさせます。

 15歳の女の子にあの表情が出せますか?あの声が出ますか?ファンを飽きさせない、同じことを繰り返さない、常に進化する「山口百恵」を見る思いです🌼。

 更に、あのビブラートだけではなく、彼女の声質の変化をこの曲で発見しました❗静かなバラード調の曲の中で、深く広く伸びのあるロングトーンが現れます。

 発声方法を変えたのか、改良したのか、歌唱力もこの辺りから急激に伸びていったように思うのです(いったいどこから目線?(笑))。

 

●「横須賀線ストーリー」🎶

 宇崎竜童、阿木燿子夫妻の楽曲です。このペアに本人の希望で依頼したそうです。本当に彼女は、時代と流行と音楽性と自らの本質を自分で理解している人だったと改めて思います。

 今までにない画期的な歌詞と、文字通りカッコいい曲調で大ヒット❗彼女はスター⭐の階段を更に上へと駆け上がって行きました。

 

「これっきりこれっきりもう これっきりですか

これっきりこれっきりもう これっきりですか

急な坂道 駆け上ったら 今も海が見えるでしょうか ここは横須賀🎶」

 

 横須賀は彼女の故郷です。横須賀への思いは特に強いのでしょう。他にも彼女には横須賀を題材にした歌があります。

 横浜の歌は他の歌手も歌っているけれど、横須賀の歌はあまりなかったように思うので、そこがまたノスタルジックでエキゾチックで、メタリックな衣装と共に彼女はまた変化し、進化していきました❗

 

●「プレイバックpart1」🎶

「あれは真夏の出来事でした 今から話すけれど もらい泣きなど しないでくださいね (聞いてね)🎶」

 

 part2の方が先にヒットして有名なので、この曲はあとから知りました。タイトルが上手い❗「part1はどこに?」って思いますよね!これも企画賞です❗

 それにしても、前置きの長い歌詞に少し笑ってしまいます。曲調はアップテンポでロック調。ロングトーンも無理なく伸びてとっても気持ちの良い曲です。カラオケで歌えば、ストレス解消にぴったり!

 後に次男の三浦貴大さんが、「徹子の部屋」に呼ばれた時だったか、「母の子守唄や鼻歌や、ちょっと歌ってくれる童謡のレベルが、他の人とは全く違っていた」

と言っていたのを聞いて、さもありなんと、深く頷きました。

 彼女は上手いのです、歌が。70年代の歌が上手い女性歌手第一位に選ばれるくらいですから。NHK紅白歌合戦のトリを務めたこともあるくらいです。彼女の人気を支えた基盤には、確固とした歌手としての実力があったのです❗

 

●「プレイバックpart2」🎶

 part1より先にこちらがヒットしました。ご存知、ドラマチックな短編映画を観るような歌詞です。

 

「交差点では隣の車がミラーこすったと 怒鳴っているから私もついつい大声になる バカにしないでよ そっちのせいよ ちょっと待って play back play back 今の言葉 play back play back」

🎶

 阿木燿子の詞が素晴らしい!宇崎竜童の曲がカッコいい!珠玉の名曲です。それにしても、真っ赤なポルシェによく難癖つけたなぁ(笑)😃。勇気あるわぁ(笑)。

 もうこの段階でショートストーリーが出来上がってしまいます。片道三車線はある都内の道路。街路樹はやっぱり銀杏かな。両側に高速ビル。洒落たカフェやセレクトショップが並んでいる。

 しばらく行くと道は二手に分かれ、市内を行く道を下に見ながら、彼女の車は左にゆるくカーブして高架へ上って行く。そのまま真っ直ぐ湾岸道路へ、間もなく東京湾が見えてくる…なんてね(そこを車で走ったことはないけど)🙋。

 

「坊や いったい何を 教わって来たの 私だって私だって 疲れるわ🎶」

 

 年上でお金持ちの百戦錬磨?のこのお姉さんに、相手は経験不足の坊っちゃんでしたね(笑)。そうは言ってもこのお姉さん、根は純粋な人だから年下の彼を捨てられないのよね。最後は帰って行くんです。

 play backの動作をこんな風に効果的に使った歌詞は、もう二度と出てこないでしょうね❗

 強くてカッコよくて、そして優しくて…そんな女性の様々な表情を、彼女は3分余りの曲の中で、映画のように見事に演じ分けていました‼️

 

●「絶対絶命」🎶

 出たぁ!また(クソ男)が。今度のやつは「プレイバック」よりたちが悪い!女の敵!

すみません、興奮し過ぎました(笑)。あまりにひどいやつなんで(笑)。

 

「別れて欲しいの彼と そんなことはできないわ 愛しているのよ彼を それは私も同じこと 夕暮れ迫るカフェテラス その人は白いハンカチを噛む 薬指には銀色に 輝く指輪が私を弾いてる🎶」

 

 彼女の歌唱では、「薬指には」の後に小さな「あ」がつくんです。わかる人はわかりますね(笑)。この「あ」が小気味良くて大好き❗

 三角関係、三人模様の十数分間の修羅場ですね😓。ドラマチックやわぁ!まるで、有川浩の小説「阪神電車」のオープニング場面のようです。

 女二人の言葉の応酬から始まるなんて凄い設定ですね!私は一気にそのカフェテラスにワープして、近くの席で耳を澄ませて成り行きを見守りますわ(笑)😃。

 

 こんなに大変な修羅場に恋人二人を立たせておいて、その原因になった(クソ男)は遅れて来るんです!ありえへん!意気地無し!そういう状態になるのが怖くて遅刻するなんて情けない!(また興奮してきた)

 

「そこへ彼 遅れて来た彼 二人とも 落ち着いてって言ったわ🎶」

 

駄目だこりゃ(笑)また次の台詞が恥の上塗りです。

「二人とも 愛してるって言ったわ」サイテー!

「その人の涙の深さに負けたの🎶」

と言って席を立ちますが、それは優し過ぎるでしょう。その男、そんなにいいですか?未練ですか?こんな男はくれてやって正解⭕。

 

「やってられないわ🎶」ですわ!指輪の女の人は、これからもまた同じことで何度も苦しむことでしょう。さっさと次へ行きましょう‼️

 

●「乙女座宮」「夢前案内人」🎶

 激しい歌路線から、一気に雰囲気を変えてロマンチックな明るく軽やかな曲です。本当にファンを飽きさせませんね!この2曲は曲調が似ていて夢見心地で聴けます。

 歌詞の中に「ウェディングドレス」というワードが出てきますが、この歌がリリースされたのが1978年、1980年の結婚まで2年、この時点で、彼ら二人は結婚を意識していたのでしょうか❤️。

 共通するイメージのワードに「流星」「銀河」「ペガサス」「三日月」🌙があり、いつの間にか自然に感覚は遥か宇宙へと飛んで行きます🚀。

 彼女は激しい歌だけでなく、こんなにゆったりした、夢見心地の優しい歌も上手です。いったいいくつの顔を持っているのでしょう。

 その答えを出すのは、この時点ではまだまだ早すぎました。彼女の可能性は、その時代の観衆の常識や予想を越えて、そこから更に深く高く広がっていったのです🌟。

 

 やはり、2回でも書ききれませんでした。まだ7曲へのコメントが残っています。テレビドラマや映画についてのコメントも次回に回させてください。

次の第22回目も、

「『山口百恵』伝説から神話へ そして…その3」

  第23回目は、

「海外へ行けないなら、沖縄へ行こう❗」を予定しています。

 書いているうちに、知らず知らず、今回は「絶対絶命」を熱唱していました(笑)❗芹沢マリリンでした🎵