No.76実は私、小説も書いてます❗その11

 オリンピックが始まりました!アスリートたちの勇姿は、結果がどうであれ無条件に感動を呼びます😃。

 それにしても、アスリートたちの努力に比べ、オリンピック委員会と日本政府の失策には、ほとほと呆れてしまいます。・・というより疲れました😥。

 昨日TVの報道特集で、オリンピックのボランティア用のお弁当の大量廃棄のニュースには驚いて胸が潰れる思いです😰。

 私は、もちろんマスコミの報道を鵜呑みにしている訳でも、何がなんでもオリンピック反対と思い込んでいる訳でもありませんが、(軟らか目)に見ても、このニュースには驚き、怒りさえ覚えてしまいました💦。

 東京の無観客になった国立競技場に、大型トラックで大量のお弁当やおにぎりが搬入されます。しかし、無観客のためボランティアの人数は大幅に削減され、余った食品が大量に、人の手に渡ることなく即刻ゴミ箱に廃棄されているのです!

 確かに発注した食品は急にはキャンセルできません。キャンセルしたら、その業者が損害を被ってしまいます。🍱🍙🍱🍙🍱🍙🍱🍙🍱🍙🍱🍙🍱🍙🍱🍙

 しかし、廃棄しか処分方法はなかったのでしょうか・・。コロナの影響とかで、食事に困っている人は大勢いるでしょう。アルバイトができずに、高い学費に困窮している大学生や、失職して住む家もなくなり路上生活を余儀なくされている人たちもいるようです。

 捨てるのなら、施設や子ども食堂やそういう人たちに無償で配ったらどうでしょう?もちろん配るのにも人員が必要で場所も必要ですが、練れない対策でもないように私は思うのです。

 自分が動かずして簡単にそんなことを言うな・・と言われるかもしれませんが、そういう仕事や役割を委託するために、私たちは長い間高額の税金を払っているのです。

 無観客になる場合、ならない場合の二つの場合を想定して、ボランティアの人数を考え、お弁当の数も割り出し、余る食品の行く手をあらかじめ考えておく。

 配布に関しては、無観客でボランティアの仕事がなくなる方々に、あらかじめ依頼しておく・・というのはどうでしょう?

 私でもこれぐらいのことは想像ができます。賢い有能な方々がオリンピック委員会にも政府にも山ほどおられるはずですから、私ごときが思いつくことは考えられるでしょう。

 いったい誰がそこにブレーキをかけたんですか?意味がわかりません😥。

 

 思えば、なぜ⁉️・・と思うことがたくさんあります。

・エンブレムの盗作疑惑

・国立競技場の設計変更問題

・マラソンコースが東京から札幌へ

・大会組織委員会森喜朗会長の女性差別発言とそれによる辞任

・先走った森会長推薦の川淵三郎氏の辞任

・開閉会式の総合統括担当の女性タレントの容姿を侮辱する発言

聖火ランナーの相次ぐ辞退

・大会ボランティアへの待遇の悪さ

・直前の開会式の関係者の辞任と解任(大会組織委員会は、中心スタッフについてなんにも検索しないんでしょうか…。理念に照らし合わせれば事前にチェックは可能だと思うんですが…。)

💦💦💦💦💦

 確かに誰もが予想しないコロナ禍での開催で、余分な仕事が限りなく増えたであろうことは予想するに固くありません。

 しかし、政府のコロナ対策の遅さと不備が、その混乱に拍車をかけたように私は思います😓。

・ボランティアへのワクチン接種の遅れ

(これには、政府の見通しのなさによる全国へのワクチン配布の遅れが大きく影響しているのでしょう)

・バブル方式と言いながら、穴だらけのバブルだったことが判明

(空港での水際対策の甘さ、ホテルでの管理やホテルからの外出に関する不徹底など)

・子どもたちの観戦動員の問題

・交通渋滞の問題

・開会式の時の国立競技場の周りの密状態の放任?

そして、

・開催地東京での4回目の緊急事態宣言と医療現場の逼迫

・長引く緊急事態宣言や蔓延防止対策による経済の冷え込み

・・・など、枚挙にいとまがありません😰。

 何でも企画をする時は、第1案がダメな時、緊急に予想外のことが起こった時の代替案をいくつも用意するものです。見通しとセキュリティーが不可欠です。

 そして、まず大切なのが、「なぜやるのか。何のためにやるのか。到達目標は何か。」という、『理論』です❗私はそう思っています。

 その『理論』や『理念』を大切にしないことから、先程のべた辞任や解任が起こってくるのではないかと思うのです。

 開会式のコンセプトを前日に新聞やニュースで見て私は真剣にびっくりしました!確か一番の目的は、『復興五輪』ですよね❗その記述が一つもありませんでした!全く一言もです💦。

 そんなことあり得ないでしょう💦。何のために上野由岐子さん始めソフトボールのチームが福島で試合をしたんですか…。

 それに対してコロナ禍からの復活とかを付け加えるということはアリだと思いますが、全く言及しないなんて考えられません(さすがに橋本さんも驚いていましたね。・・というよりあなたは事前にチェックしておくべきでしょう)。

 そこが曖昧になるということは、今回の五輪の意義そのものに関わる重大事項だと思いますが、あなたはどう思われますか・・?

🎾🏊⚽️⚾️🏀🏃🏃🏃🏃

 

 それでは、今回も私の小説でしばし非日常をお楽しみください🙋。

  「刹那~襟子」 第3章 『叙情的恋愛』続き

 繭子たちは、とうとう離れることができなくなった。愛しすぎて、相手が自分の身体の一部になってしまい、切り離すことができなくなってしまった。

 彼らは去った。何もかも捨てて・・。

 もちろん許されることではない。残された夫や褄や子どもたちのことを思えば、地獄に堕ちてしかるべき所業である。その大きな犠牲を顧みず彼らは去った。

 彼らは出会ってしまったのだ。全てを捨てても後悔しない相手に。きっと繭子があのカフェで言っていたように、それは互いの視線が一瞬にして網膜に像を結んでしまったことから始まったのだ。

 その一瞬が、彼らの人生のベクトルを変えてしまった。何度も引き戻そうとしただろうに、偶然に偶然が絡み合い、重なり合い、交錯する刹那の運命の糸に引き寄せられてしまったのだろう。

 襟子は、夕日の残光がゆらゆらとビルの谷間に消えて行くのを瞳の端に感じながら、車のスタートボタンを押した。

 オートに設定したライトがためらいがちに点灯するのに気づき、間もなく迫る宵闇との間のこの時間が、まさしく文字通り「逢魔が時」であることに微かな違和感を覚えていた。

 街路樹のわずかに色づいた木の葉が一枚、襟子の車のフロントグラスに落ちてきて、しばらくワイパーの片隅に踊っていたが、いつの間にか何処かへとひらめきながら飛んでいってしまった・・。

🍂🍂🍂🍂🍂🍂🍂

 

 白い霧の中を走って走って、繭子はようやく愛しい人の病室を探し当てた。病室のドアのプレートに触れると、花の写真はおもむろに一人の名前を写し出した。紛れもないあの人の名前・・。

 繭子は、ためらいながらも決然とドアノブに手をかけた。物音一つしない。人工呼吸器のシューシューという音も、何かの機械の電子音も、そして当然あるはずの小さな話し声や人の気配も、そこにはないように思えた。

 繭子は意を決してドアを開けた。するすると音もなくドアは開き、白い布団にくるまれて横たわる人の姿が見えた。あぁ、紛れもなくそれは繭子の愛しい人。

 白いベッド、白いシーツ、そして見たこともないほど白い顔をした彼が、静かに眠っていた。繭子は、自分を拒否しているはずのこの部屋に入ることを躊躇し、次の瞬間にも聞こえて来そうな彼の妻や子どもたちの声を聞き逃すまいと全神経を研ぎ澄ませた。

 その時までは、繭子はかろうじて冷静だった。その時までは・・。

 彼の他には誰もいない。そして、この期を逃したら、きっと二度と逢えなくなる・・。ふと、彼の眉間が微かに苦痛に歪んだ。まるで、繭子の下にいる、あの時に見せる快楽と苦痛の狭間のような表情だ。

 繭子は我慢ができなかった。彼の家族に見られるかもしれないことや、その他諸々の世俗の常識はもはやどうでもよくなった。

 吸い寄せられるようにベッドの傍に駆け寄って、血の気のなくなった彼の手を握りしめた。繭子をいつも癒してくれたこの優しい手に、何度も何度も口づけし、自分の頬に押し当てた。

 ひんやりと冷たいが、微かにそこに温かみのあるその手を、自分の唇に頬にそして胸に押し当て続けた・・。

 

 自分の嗚咽で目を覚ました繭子は、枕が涙で濡れているのを、何処か遠くのことのように感じていた。また、辛い夢を見てしまった。

 繭子は、今まで彼の夢を見ることはほとんどなかった。おそらく死の床にいる彼のことを、まるで予知夢のように見るとは、我ながら自分の精神のバランスの危うさを感じて慄然としたのだった。

 繭子にとって辛い夢とは、いつも決まって高校生の頃の夢だ。朝目覚めたら、もうとっくに電車の時間は過ぎている。父や母は仕事に出かけて家には誰もいない。

 遅刻してでも駅に向かおうとするが、制服がない。やっと制服が見つかると今度は鞄がない。靴がない。どうしても学校に行けないのだ。

 辛くて悔しくて不安で、繭子は涙を流し始める。少女のようにしゃくりあげながら・・。そういう夢を見たとき、繭子はいつも、

「大丈夫、大丈夫・・。」

と呪文のように小声で繰り返しながら、自分の腕で自分の身体を抱き締める。爪の痕が付くくらいきつく抱き締めると、不思議と落ち着いたものだ。

 今、繭子は彼と借りた、自分と彼の他には誰も知らない隠れ家のような小さな部屋にいる。仕事が終わって。いつものように互いに連絡もとらず、1ヶ月前に二人で決めた日の決めた時間に二人は部屋で落ち合った。

 もどかしげに互いに着ているものを剥ぎ取り合い、ほんのつかの間の情事で互いの気持ちを確かめ合って、限られた、短いけれど心地よい眠りに身を委ねていたのだった。

 (まだもう少し時間がある・・。)

隣でまだ寝息をたてている彼を起こさないように、静かに布団から抜け出て。繭子は音をたてないように服を着る。

 唇に喉に彼の匂いを感じる。繭子は、小さなシンクの水道の蛇口から、ガラスのコップになみなみと水を注ぎ、喉を鳴らして飲み干した。

🌇🌆🌃🌌🌕🌔🌓🌑

 

 繭子と彼の関係は、どちらかが病気になった時のことを考えると風前の灯火のようなものだ。互いの配偶者画二人の関係を知ったとしたら、たとえ臨終だといっても、繭子を彼に逢わせてくれるはずがない。

 彼も同じだ。どちらかが病気になって身動きがとれなくなった時、二人にはなす術もなく時は流れていくだろう。そんな時のことを考えると、繭子は無性に淋しくなる。

 一番大事なときに、一番一緒にいたい時に、決して一緒にはいられないのが二人の関係だからだ。あの夢は、そんな恐怖心から繭子の深層心理に巣くっている光景なのだろう。

 繭子は彼と抜き差しならぬ関係になって一年ほど経った時、彼の胸の上で寝物語に呟いたことがある。

「私かあなたか、どちらかが余命幾ばくもないという病気になった時は、二人で何処かへ行こう。最期にはそれぞれの家族の元に帰るのか帰らないのか、それも成り行きに任せよう。

束の間の贅沢な二人だけの時間を大切に過ごそう。絶対に後悔しないように。誰にもわかってもらえないし、誰にも許してもらえないでしょうけど。」

 ほんの1%の可能性でも、本当に実現するかもしれないと錯覚する瞬間が、二人にはどうしても必要だったのだ。

 

 いつの間にか彼が起きて、繭子に背を向けて身支度をしている。繭子は、ネクタイを背中の方に回し、襟を立てて締める彼の仕草が好きだ。

 帰るまで二人はほとんど言葉を交わさない。が、この日は違った。

「限界だな・・。」

「そうね・・。」

「何処かへ行こうか・・。」

「わかった・・。」

その、あまりにも意味の深い、短い言葉のやり取りが、彼らのその後を決めた。期は熟していたのだ。それ以上の言葉はいらなかった。

🌇🌆🌃🌌✨🎇

 

 今回は、ここまでにさせていただきます。今回のラストは第4章「濃厚接種」に入るかなぁと思っていたのですが、第3章「叙情的恋愛」がもうあと少し残っていました。

 小説を書いていると、どうしてもラブストーリーを入れたくなるのです(照れ笑)。

 続きも読んでくださいね😃。皆様、熱中症にはお気をつけくださいませ☺️ 芹沢マリリンでした🎵