No.80実は私、小説も書いてます❗その15
世間では、今日のコロナ新規感染者数がまた過去最多を記録し、全国レベルの緊急事態宣言が論議されているらしいという大変な日に、目と耳を疑うような気持ちの悪いニュースが飛び込んできました😰。
今日はブログの更新をする予定がなかったのですが、あまりに怒り心頭❗我慢ができず発信することにしました😤。
名古屋市長の暴挙についてです💦。
私は今まで、ブログ上で個人に対して非難するような記事を書いたことはありません。そう私は思っています。
コロナ禍の社会において、政府の後手後手に回る政策に怒りを覚えて記事にしたことはありますが、あくまでもその政策に対して抗議の気持ちを表したのであって、菅首相の名前をことさら出したわけでもなく、個人の言動に対してコメントしたわけでもありません。
しかし、市長を表敬訪問した金メダリストの若い女性のメダルを、人々の面前で、あろうことか、感染対策のマスクを外して「噛む」などという暴挙を、はたして許せるでしょうか⁉️
私はニュースを見て呆然としてしまいました!確かに、メダリストの中にはそういう仕草をする人はいます。一生懸命努力してがんばってきたメダリスト本人だからこその仕草です。
大変な努力と苦労の結晶のメダルを、他人が首にかけさせて貰うことだけでも、絶対必に遠慮すべきことなのに、それをメダリストの真似をして「噛む」なんて、そんなことがなぜできてしまうのか、私には全く理解できません❗
ましてやコロナ禍!メダルも東北の農家の方々が育てて作ってくださった可愛らしい花束も、トレイからメダリストが自分で取り上げて首にかけたり、手に持ったりしているのです!
他の人との接触を避けるためです。少しでも感染の危険を避けるためです。
なのに、公衆の面前でマスクをとって口にするなんて❗どういう感覚ですか⁉️
こんなデリカシーのない態度を取る人が、どういうふうに市政を担っているか、市民にどういう態度で接しているか、想像に難くありません。
ネットには「もし私がそんなことをされたら、悲しくてその場で泣き崩れてしまう!」という意見もありました。同感です。そのメダリストの気持ちを考えると胸が苦しいです・・。
市長は簡単な謝罪で済むと思っているようですが、そんなことで済ませていい問題だとは思えません。政治家として良識ある行動だったかどうかだけでなく、人としてしっかり反省し、心から謝罪すべき問題なのではないかと、私は思います。
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それでは気分を入れ換えましょう。
今回も私の小説「刹那~襟子」の続きをお楽しみいただけたらと思います🙋。
「刹那~襟子」 第四章 『濃厚接種』続き
大学生の長男は東京で独り暮らしをしている。感染者が莫大に多い東京からは当然のように帰って来られない。
アルバイトもできない状態なので、食料品や身の回りの物を娘にリストアップして貰い宅配便で送ったが、孫の本当に好きな物を入れられたかどうか不安である。
娘ならきっともっと上手く用意できるのにと思うと、彼女は悲しくなってしまう。
長女は高校3年だ。「コロナ世代の受験生」と呼ばれているらしい。休校が続いて授業も進まず、オンライン授業も最初こそ物珍しそうにがんばっていたが、やはりどうしても反応にタイムラグがあることがもどかしいらしく、登校するときの方が嬉しそうだ。
秋には志望校も決めねばならず、元来明るかった長女も、めっきり口数が少なくなった人生の大きな岐路に立っているのに、娘のようには有意義なアドバイスもできず、彼女は自分がもどかしい。
今日は、祖母でなく母として娘に着替えや化粧品やおやつを差し入れするためにバスで病院に向かっている。
彼女の二列前に座ったいる親子は、山下実南二十八歳とその娘佳菜五歳だった。佳菜には軽い発達障がいがあった。三歳児健診で、語彙数が平均よりかなり少ないのと、ADHD(注意欠陥・多動性障がい)の傾向もあることがわかった。
コロナ禍でなければ理解ある保育士さんたちに囲まれ、佳菜は佳菜なりに保育園生活に馴染み、登園をいやがることもなく毎日を過ごせていただろう。
しかし、コロナ禍になり、未知のウイルスが老いも若きも関係なく襲い続けるこのような状況の中で、実菜は怖くてたまらない。
娘の佳菜は、今だに何でも口に入れる。誰のそばにも近寄って行く。他人との距離が極端に近い。
マスクをするように言っても、もっと幼い幼児のようにいやがって言うことを聞かない。だから、どうしても保育園に預けることができなくなったのだ。
このまま状況が変わらなければ、小学校にも行かせたくない。娘を失うかも知れないリスクが他の子どもより大きい以上、どうしても自分のそばから離すことができないのだ。
これでは、実菜は働くこともできない。その上、夫は無関心で相談に乗ってくれない。みんな行っているんだから保育園に行かせろと言うばかりだ。
実菜はの母親も、尋常ではない状態に驚き、娘の説得に当たった。保育園も充分に気をつけているだろうから行かせなさいと。
そうしなければ、孫の生活だけでなく娘実菜の生活まで駄目になると諭すのだが、彼女は一歩を踏み出せずにいる。
一日中娘と一緒にいて片時も離れず、家に引きこもって手の消毒ばかりに時間を費やす二人を見て、母親がとうとう精神科受診を勧めたのだった。
実菜は、半年もそういう生活を続けて限界が来ていたこともあり、母親の提案に従うことにした。彼女にとっては大きな決断だった。
このままではいけないと一番思っているのは彼女自身だった。今自分が変わらなければ、この苦しみの渦に幼い娘を引きずり込んでしまうだろうと、まだ正常な部分の精神が危機感を持ったのである。
彼女は必死の思いで、ついて行くと言った母親をおいて、新しい生活に自分の力で踏み出した。それが今日だったのである。
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何人かの学生の他に、まだ若い紺のスーツを着た女性が乗っていた。彼女は篠田利香子二十五歳。小学校の教師である。
教師になって三年目、ようやく担任を持てるようになり、自分のクラスをどうやって造っていこうかと考え、ワクワクしていた矢先だった。
コロナ禍のため、全国の小・中・高全面休校が始まったのである。四月になっても始業式はなく、児童のいない小学校は普通のビルより寂しい。
ソーシャルディスタンスを取るため、一クラスを半分に分け机の間隔を広げた。利香子の学年は小学2年生でクラスの人数がもともと少なく構成されていたため、小さな低学年用の机と椅子の間隔を広げるだけで良かった。
本当は、教室の後ろにフリースペースを作り、マットを敷いて、子どもたちが自由に遊べるコーナーにしたかったが、そのアイデアは使えなくなってしまった。
絵本の読み聞かせをするために、子どもたちをコンパクトに集めることもきっと不可能だろう。それでもなんとか子どもたちの不安を和らげてやりたい。
彼女は、教室の隅々まで消毒液を噴霧しながら拭き続けた。今のうちにと、時間を惜しんで教材研究もした。三角形と四角形の違いは何を使って教えよう。「スイミー」を習ったあとには、魚の形の色紙に子どもたち一人一人が思いを書いて、それを集めて大きなパネルを作ろう。
・・次から次へと発想だけが浮かんでくるが、あくまでも児童のリアクションのないまま(初めての担任だったので「以前の経験」というものがなく、予想することができない)、それでも彼女は、授業計画を作り、学習プリントを作成するなどのできる限りの準備に精一杯努力した。
自分のやっていることがいいのかどうかもわからないまま、やれることはそれだけだった。
やっと学校が再開され、子どもたちがマスクをつけて登校してきた。彼女は子どもたちに囲まれ、夢にまで見た担任としての仕事に全力投球するのだった。
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しかし、マスク越しには子どもたちの表情が見えない。最初のうちは、笑っているのか泣いているのかさえすぐには判断できない有り様だった。
そのうちになんとかクラス全員の名前とマスク越しの顔の判別ができるようになったが、一番心配な無表情の児童の心が読めない。
子どもたちの送って来るサインを、瞬時にキャッチすることができないもどかしさは、彼女に予想以上のストレスを与えたのである
その上、感染症対策として、子どもたちを密集させることもできない。グループでの作業やゲームや話し合いもできない。
いたずらをした子どもたちを叱るとき、普通なら子どもたちの目線まで下がって、瞳を見つめながら至近距離で静かに諭すのだが、必要以上に距離を取ってしか話すことができない。
「篠田先生、篠田先生!」と叫びながら飛びついてくる子どもたちを抱きしめることもできないのだ。自分を慕って近寄って来る子どもたちを引き離すことが、彼女にとってどんなに辛かったことか。
低学年の児童のごく普通の親密さの表現を、担任として全身で受け止めることができない、それは彼女にとって本当に身を切られるような思いだった。
しかし、そこで留まっているわけにはいかない。今でもできること、今だからできることを、新しく考え試していかなくてはならない。なぜなら、誰も経験していないからだ。
彼女の試行錯誤が始まった。ベテランの教師でさえやったことのない、前例のない新しい教育活動が、今、求められているのだ。
彼女には、もう一つ気がかりなことがあった。コロナ禍で子どもたちの安らぎの場であるはずの家庭も、今までにない困難に直面していたのである。
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今回はここまでにさせていただきます。一年半前に執筆していた小説を、ブログの原稿におこしていると、その頃の社会情勢を思い出します。まだ1回目の緊急事態宣言が出たばかりの頃でした。
そして今、全国ではありませんが、四回目の緊急事態宣言が発令されています。そんなことは予想だにしていませんでした。
厳しい状況ですが、皆様お元気でいらしてください。次回の第四章「濃厚接触」の続きを楽しみにしていただけたら嬉しいです🙋。芹沢マリリンでした🎵